「変わってるね」は褒め言葉

一部上場の大企業を辞めて起業したCEOの戯言

No More PowerPoint!! パワーポッターと秘密の決算

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もうね、うちの会社ってば、パワポばっかり作ってて意味あるのかと。それもエンジニアもね。

20年前はプレゼンというと紙かOHPだった。Draw系ソフトも対して世の中になかったから、テキストや手書きが中心。だから、どうしても資料は後から読むもので、基本はスピーチが中心になる。

スピーチがつまらないと眠くなって聞いてくれないからエンジニアでも話術を磨いたりした(少なくとも自分はね)。議論のための準備は、資料作りではなく頭の整理やロジックの見直しに費やす事ができた。

しかしパワーポイントが世の中に出てしまった事で、職種関わらずとにかくパワポパワポになってしまった。
たしかに便利だし簡単にプレゼン資料ができ共有できるところは認める。

だが、下手にデザインっちっくな資料ができちゃうものだから、揚げ足取り君らが登場しはじめた。

「そこは全体の統一性を考えて24ptじゃないの?」
「文字が多すぎるから減らせ」「文字がすくなくて分からないから増やせ」
「色をもう少しつかったら?」
「動詞で終わっているんだから、その文は名詞でおわらせちゃだめだよ」

とかとか。そういう本来必要とすべき議論の前にデザインとかの話になる。いや、確かに改善点だけど、必要か、それは?と言いたいのだ。

そんで、結局はその手直しに徹夜したりするわけ。で、適当に直しても肝心のプレゼンとかだと、本当にそのプレゼンのキーパーソンなんかはその資料なんか適当にしか見てなくって、スピーチや質疑応答で話が決まったり。だれも、「そこまで資料作り込む必要なかったね」なーんていうやつはいない。

TED を見てみろ。8割以上はトークだよ。

仕事がら欧米やアジアの一流会社とMTGすることもあるんだが、やつらの資料なんて、ほんとプレゼン中に読める物じゃない。文字ばっかりだし。ただ、事前・事後に読むには丁度良い粒度であって、F2Fの会議では、彼らはやはりトークに命をかけてくる。

説得力ある話術があれば資料なんて補足にすぎないはずなのに、資料が今は主だ。だから、「おまえが風邪で倒れてもパワポあればいいから」なんて事もマネージメント層は平気で言うわけだ。

ほんと、資料作りとその資料の重箱隅ツツキやって居る暇あったら、本当に今必要な事を考え直すべき。

どっかの日本の会社は、一日に使えるPCの時間を1時間に制限したら、資料作りよりも考える事や議論に時間を裂くようになって捗ってきた、と本で読んだ。

現場で吠えても変わらないし聞いてもらえないから、ここで吠えてみた。新興国ですら、こんなことやってないのに。このままじゃ日本企業は廃れていくよなぁ...