「変わってるね」は褒め言葉

一部上場の大企業を辞めて起業したCEOの戯言

サービスクオリティを求め過ぎる代償で自ら首を絞めてないか

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海外旅行や出張から戻ってくると驚くのは日本のサービスのきめ細やかさや質の高さである。もちろんダメなところもあるけれど平均として他国と比べて高いと思う。

公共交通は時刻表通りで、1分でも遅れようならアナウンスが流れる。バスもいまどこ走ってるか分かる。新幹線なんてよく衝突しないなーってぐらいの間隔で走っている。

ネット通販でポチッと押すと翌日、早ければ即日に配達される。

ヨドバシカメラの通販なんて分単位で到着予想時間が通知されるほどでホント驚く。

街の店舗が時間より前に閉まる事はないし、台風だろうが大雪だろうが基本空いている。コンビニはあちこちにあって24時間営業で、店内は明るく(割と)清潔だ。

遅い遅いとっても引越し後の電気やガス工事なんて一日で終わる。一週間待ってくれ、なんてのはない。

お得意の担当さんが2週間とか1ヶ月休みなんてことはないし、あっても事前にあれこれトラブルないように引き継ぎされている。

もうこういうサービスクオリティに慣れてしまってきているが、これらはそこで働いている人などの努力にほかならない。

というと格好良く聞こえるが、中の人はたまったもんじゃないところもあるだろう。またはいわゆる社畜の人たちがもがいているおかげともいえる。

一昔前だったらここまで無くても、多少不自由ではあったけど、命にかかわる問題でもないし、そういうもんだ、と思っていた。 しかし、いまは、ちょっと問題があると、クソだの中の人はサボるな、とかいわれる。

利便性や正確さを求めていくのは自然な流れではあるけれど、それに伴い自分たちの首を絞めているようでならない。

Noといえない日本人の気質としてはこれは危険な感じがする(素人考えかもしれないが)。加えてIT(ICT, IoT)化によってもこれは更に加速していく。

もうすこし国全体が、住んでいる人が、心に余裕があればいいな、と思う。自分への戒めもこめて。

夜中にお腹が空いた時にコンビニで好きなモノを買って食べられる幸せはある。クオリティを上げることを否定するわけではないし、感謝なのだが、本当にこれでいいのかって思う。

そして、これはいわゆる「おもてなし」ではないんだろうな、と。